2015 AUTOBACS SUPER GT ROUND1

開催地:岡山国際サーキット(岡山県)/3.703km

44日(予選)天候:曇り

コースコンディション:ドライ 観客数:9,300

45日(決勝)天候:曇りのち雨

コースコンディション:ウェット 観客数:17,000

 

予選ワースト2から決勝13位フィニッシュ。惜しくもPOINT獲得は逃すも確かな手ごたえを得る! 

今年もスーパーGTが、岡山国際サーキットで幕を開けた。「NetMove GT-R」を走らせるaprにとって、GT-R GT3での参戦は3年目。結果が求められる本年度は、速さを求め昨年、全日本F3-Nクラスシリーズチャンピオンの小泉洋史選手を獲得し、RACEの安定感を求め岩崎祐貴選手を昨年に引き続き起用した。

2本のストレートを13のコーナーでつなぐテクニカルコースの岡山国際サーキットと、GT-R GT3の相性は以外にも悪くはなく、開幕ダッシュを決め、悲願の表彰台が期待された。

公式練習 44日(土)9:0010:45

シーズンオフに行われたテストに参加できていない「NetMove GT-R」は積極的に走行を繰り返したいものの、朝方まで降り続いた雨から路面は微妙なWET路面。岩崎選手がステアリングを握り、数周WETタイヤでチェック走行するも、どんどんDRY方向になっている事からリスクを冒す必要もなく路面が乾くまで待機をする。一方でライバル陣営もリスクを避け大半のGT300が走行していない事から、どのマシンが速いか全くわからない状況に。

公式練習スタートから1時間経過する午前10時過ぎにはスリックタイヤで走行可能となりTEAMは早々に岩崎選手をコースに送り出す。ところがスターターが急に動かず交換を余儀なくされる。このトラブルにより公式練習はWETで数周したのみ。完全にプログラム消化不良から予選に向けてスリックタイヤのデーターは全くない厳しい状況となった。この後行われた、サーキットサファリで小泉選手も少しだけ周回は出来たものの、マシンパフォーマンスを確認するに至らず。午後の予選に向けて不安材料を抱えたまま迎えることとなった。

公式予選 Q1 14:5015:10

今回のQ1担当は岩崎選手。スタートと同時に飛び出していくが、マシンセットが合っていないのかタイヤレンジを間違えたのか、タイヤグリップが低く周回を重ねてもタイムの延びが無い。更にコース上での渋滞もあり、1周まともにアタックするタイミングを失ってしまう。

それでもグリップ感の薄いマシンで果敢にアタックを続け、29771BESTタイムとなった。Q1の結果は、なんと28台中27番手。過去ワーストの予選結果であり、岩崎選手にとってもTEAMにとっても、あり得ない結末となった。午前中の公式練習にて突然壊れたスターター修復からDRYデーターが取れなかった事が大きな要因であり敗因である。明日の決勝は雨予報。予選順位はワーストであるが間違いなく荒れたRACEになることが予想され、諦めず上位を狙う。

小泉洋史選手

「予選順位は、朝のトラブルでDRY走行が満足に出来ておらず方向性が見えていないので仕方がない。前回富士でテストした感じだとGT-Rは雨に強いので、この予選順位でも決勝は上位が狙える可能性があります。決勝に向けて、そんなに悪い要素は持ってはおらず、雨予報なら確実にRACEをするだけだと思います。」

岩崎祐貴選手

「今年初めての予選ということもあって、アタックタイミングとマシンのセットを合わせることが出来なかった。午前中、マシントラブルからまともにDRYを走っていない不安が的中し、結果的にはニュータイヤのグリップを把握できなかった。どの様なシチュエーションであっても、もっとまともなアタックが出来ないと駄目だと反省しています。明日の決勝が雨ならこの予選結果を挽回して見せますのでご期待ください。」

金曽裕人監督

「誠実にRACEに取り組んでいるはずなのだが、どうもタイミングが悪い時に予期せぬトラブルに見舞われる。その修復によってDRYタイミングでの走行が出来なかったのは予選に対して非常に不利であった。だが、その要因が何であれGT-Rをもって27番手はTEAMとしてありえない結果。明日が雨でも晴れでもこの順位から必ず上位を狙う。」

決勝日・フリー走行 45日(日)9:009:35

決勝の行われる日曜日は、あいにくの雨模様に。フリー走行の開始時は特に雨が強く、「NetMove GT-R」は岩崎選手から走行開始。あまりにもの雨量から各所でスピン車両やコースオフ車両が続出し波乱の予感が漂う。岩崎選手からもストレートですらまともに走れないとのコメントが。その直後にモスSで大きくクラッシュした車両があり、15分ほどセッションが中断される。そのため、当初の予定より終了時間が5分延長されることになった。

再開後は小泉選手がステアリングを握り、濡れた路面にドライビングを合わせるべく、積極的な走行を重ねていく。その後、47093を記してチェッカー。このままウェットコンディションであろう、決勝に向けて無事に最終確認を済ますこととなった。

決勝レース(82周)14:30

1320分より、決勝のスタート進行が始まり、まずは8分間のウォームアップ走行が実施される。開幕戦のスタート担当である岩崎選手は、ここで1周のみ走ってコンディションを確認する。この段階で雨は本格的に降ってはおらず、止んでいるか小雨という状況。しかし、路面は依然として濡れたままで、いずれにせよ岡山国際サーキットでの開幕戦は、3年連続でウェットコンディションからの始まりとなった。

問題はタイヤ。ドライタイヤか、ウェットタイヤか、インタータイヤかを選ぶか非常に難しいコンディション。勝負をかけてドライタイヤを選んだチームもあった中、「NetMove GT-R」はインタータイヤを装着する。パレードラップが岡山県警によって行われた後、フォーメイションラップが通常どおり1周。そして、グリーンシグナルの点灯とともに、熱戦の火ぶたが切られていく。オープニングラップのうちに27番手スタートから、一気にポジションを上げた岩崎選手は、その勢いで2周目には8台を抜き、19番手に。順位が落ち着いた10周目には17番手に。更なるジャンプアップを狙う中、路面の乾きは予想以上に鈍く、ドライタイヤを装着していた車両は大きく遅れていく。

20周を超えたあたりで、ようやくウェットタイヤ勢との優劣が逆転し始めたのでこのタイミングで小泉選手に交代しスリックタイヤを装着する予定を立てた。だが雲行きが怪しくなりTEAMは岩崎選手で引っ張る作戦に急遽変更。その読み通りに30周目ぐらいから再び雨が降り出しNetMove GT-R」のペースは大きく落ちることなく、早めにピットに入る車両を尻目に、なおも岩崎選手は周回を重ねていく。

そして、39周目に「NetMove GT-R」は、実質13番手でピットイン。この時点で走り続けているのは上位5台と下位の3台のみとあって、いかに作戦が的確であったか分かる。ミスのないピットワークの後、いよいよ小泉選手が17番手でコースイン。タイヤはこの時点で一番マッチしているタイヤを装着。走り始めからプッシュしたものの、雨の勢いが増したことでハードのWETタイヤでも厳しく、どんどんコントロールは難しいコンディションとなる。だがF3-Nチャンピオンの小泉選手はその状況下45周目には16番手、48周目には15番手、60周目には14番手、71周目にはついに12番手と5台を抜きにかかり、あと2台でポイント圏内が見えたが無情にも雨脚は更に強くなり、上位陣には追いつくことが厳しくなってきた。それでも攻め続ける小泉選手であったが、ファイナルラップに後方から追い上げる車両に接触され順位を一つ落とし13位でチェッカーを受けることとなった。

荒れたRACEを無事完走し、27番手から13位でフィニッシュできたことは、開幕戦としては良い展開であった。ただ、惜しいのは14台抜くレース展開であった事から予選順位が悔やまれる。次回富士スピードウェイはGT-R GT3が最もパフォーマンスを発揮する高速サーキットであり「NetMove GT-R」とTEAMがどれだけのパフォーマンスを発揮するのか、注目したいところだ。

小泉洋史選手

「決勝中の雨量は常に変化しており、路面コンディションとタイヤのパフォーマンスに合わせ、その都度ドライビングで修正しなければならないタフなレースでした。マシンも初期は曲がろうという気配だけでアンダーステア傾向が強く、出来るだけのテクニックでターンインからの姿勢を作ったのですが終始曲がりにくい状態でした。また、トラクションも薄くマシンのWETセットが足りなかったと思いました。久しぶりにスーパーGTに参戦し開幕戦を終え、感想としてやはりスーパーGTは手強いです。自分を評価すると満足いく内容とは程遠く悔しいです。これから、もっと努力しスキルアップを果たしたいと思います。富士では高ポイント獲得を目指しますので次戦もよろしくお願いいたします。」

岩崎祐貴選手

「スタート時のコンディションは非常に悩ましい状態であったがTEAMが良い判断をしてくれたことでスタート直後に大きく順位を上げることができた。その後、降ったり止んだりと落ち着かないコンディションでしたが、39周まで引っ張ったTEAMの判断は良く、小泉選手の選択肢も増え、レースが組み立てられたと思う。レース展開をみても予選順位が良ければ、ポイントは確実だったと思う。次戦の富士では完璧な予選アタックをお見せし、表彰台を狙いますので応援よろしくお願いいたします。」

金曽裕人監督

「ポイント取れなかった理由は沢山ある。その理由をTEAMは一つ一つ分析し次回に反映させなければならない。決勝中の小泉選手、岩崎選手の両名は個のパートをそつなくこなしミスもせず無難な内容であった。これからRACEを重ねるたびに確実さが強さに変わり、無難さが速さに変わるはずである。その期待ができるパッケージをこの開幕戦で感じました。着実に確実にパフォーマンスを上げて行きますので しばしお待ちください。まずは次戦の富士は更に前進いたしますので応援よろしくお願いいたします。」