No.30 TOYOTA PRIUS apr GT

2018 AUTOBACS SUPER GT ROUND 1  

Okayama International Circuit

OKAYAMA GT 300km RACE

開催地:岡山国際サーキット(岡山県) / 3.7031km

4月7日(予選)

天候:天候:曇りのち雨 / コースコンディション:ドライ〜ウェット / 観客数:10,700人

 

4月9日(決勝)

天候:晴れ / コースコンディション:ドライ / 観客数:17,700人

 


永井宏明と佐々木孝太のタッグは3年目。予選の苦戦もはねのけ、決勝ではしっかり完走果たす!

 

 岡山国際サーキットを舞台に、スーパーGTシリーズの開幕戦、「OKAYAMA GT 300km RACE」が4月7〜8日に開催された。全8戦で争われるシリーズに、今シーズンもaprは2台のトヨタ プリウスZVW51を走らせ、「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」を3年目のタッグとなる、永井宏明選手と佐々木孝太選手に託すこととなった。

 昨シーズンの後半は信頼性を欠いたため、苦渋の決断としてハイブリッドシステムを外して戦った「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」だったが、今シーズンは開幕戦からハイブリッドシステムを搭載での参戦となる。

岡山国際サーキットは、中低速コーナーの多いテクニカルコースであることから、プリウスを筆頭とするJAF-GTの持ち味である、コーナリングスピードの高さは大いに武器となる。このオフシーズンにマレーシアにマシンを持ち込み5000㎞近くの走り込みとマシンの進化をさせたこともあり、3月に行われた公式テストでも常にQ1以内を記録し、今回も躍進の期待が込められた。

公式練習 4月7日 9:00〜10:35

土曜日午前の公式練習は、前日までの雨がコースの一部を濡らしていたが、ドライタイヤでの走行に支障がない状態ではあった。コースオープンと同時に佐々木選手がピットを離れ、1周のみチェックを行ってピットイン。最初の調整を行なった後、7分目から本格的な走行を開始する。途中、1度だけ赤旗中断はあったものの、メニューは順調にこなされて佐々木選手は1分27秒148を記すまでに。

 ほぼ1時間を経過したところで永井選手と交代し、そのままロングをかける予定だった。ところが、GT300単独のセッションがもうすぐというところで、突然雨が降り出し、徐々に強さを増していく。たまらず走行を打ち切り、ピットで待機。皮肉なことに終了の頃にはやんで、続いて行われたサーキットではウェットタイヤ装着ではあったが、ようやく永井選手のロングが可能に。ラスト4分間はドライバー交代の練習を兼ねて佐々木選手が乗り込み、最終チェックを完了した。

 

 

公式予選 Q1 4月7日  14:45〜15:00

今回のQ1担当は佐々木選手。気温は9度、路面温度は15度と、想定よりはるかに低かったことから「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」はソフトタイヤを選択していることから、開始早々にトップタイムを連発。1分35秒台から31秒台、30秒台、そして29秒台に入れたところで、いよいよ佐々木選手はアタックを開始する。

 まずは1分27秒007をマークし、さらにタイムアップの期待が高まるも、その後のタイムは伸び悩む。背景は、予想以上にフロントタイヤのグリップ低下が激しく、佐々木選手が苦しんでいたためだ。必死の抵抗も虚しく、25番手に留まるとともにピットで見守っていた永井選手に、ステアリングを委ねることはかなわなかった。ちなみにQ2は豪雨に見舞われ、とてもドライタイヤでは走れぬ状況となっていただけに、もしQ1を突破できていたなら……。

永井宏明選手

「事前テストも含め、Q1は、難しくなく突破すると見ていたが この気温と路面温度だと我々がチョイスしたタイヤをうまく走らせることができなかった。明日は、後方からのスタートですが精いっぱい良い走りで 挽回いたします。」


佐々木孝太選手

「フロントタイヤがすぐにグリップダウンしてしまった。曲がらない、止まらないマシンをなんとかねじ伏せたが、これ以上は無理。岡山は得意のサーキットなのにQ1敗退は残念でならない。明日は、気持ちを切り替えて上位チェッカーを目指します」

金曽裕人監督

「なぜか想定のパフォーマンスが出なかった。間違いなく、4月とは思えないこのコンディションとタイヤの使い方に要因はあるのだが、それにしても25番手とは、、、。何かが欠けている、何かが間違えている、決勝までには必ずその改善を致します」

 


決勝レース(82周) 4月8日 14:40〜

今年も日曜日の走行開始は、午後のウォームアップから。20分間の計測は有効に活用された。スタートを担当する永井選手から走り始め、まずは1周した後ピットイン。ここで最後の微調整を行い、再び永井選手はピットを離れて、今度は連続周回をこなしていく。ベストタイムを1分28秒831に、レース想定の1分29秒台をコンスタントにマークする。そして、終了間際に佐々木選手が乗り込み、戻ったところでチェッカーが振られることとなった。

まだ想定していたよりも低いとはいえ、気温は11度、路面温度は22度と、このレースウィークでは最も高くなっていたから、ようやくタイヤも機能するはずだ。オープニングラップでひとつ順位を落とした永井選手ではあったが、ペースは安定。周回を重ねるごとに順位を上げていく。そして19番手にまで浮上した29周目にピットイン。「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」のステアリングは佐々木選手に託されることとなった。

 全車ドライバー交代を済ませた時点で、佐々木選手は20番手。ポイントを獲得するのも難しいポジションではあるが、あきらめることなく走り続け、今後のレースに向けてデータ収集を心がけることに。前後ともに間隔が開き、しかも終盤の脱落車はなかったことから、そのポジションは最後まで保たれたものの、しっかり完走を果たせたことには大いに意義がある。

 5月3〜4日、ゴールデンウィーク真っ只中の富士スピードウェイで開催される第2戦では、必ず巻き返しをはかってくれるはず。大いに期待していただきたい。

永井宏明選手

「スタートを務めさせていただき規則で予選後のタイヤでファーストスティントを戦ったが、スタート直後から全くフロントタイヤがグリップせず、曲がらない、止まらない状況でした。色々と走り方を変えたが、それで対応できるレベルではない厳しい状況でした。同じスペックのタイヤを20分のフリー走行で履いたが、素晴らしくパフォーマンスは高かったのに、この決勝タイヤは全くの別物でした。この問題はチームにしっかりと分析してもらい、次の富士に期待したい。」


佐々木孝太選手

「大好きでもあり得意な岡山国際サーキットでQ1を突破出来ないくらいバランスの悪かった予選ですが、その夜に今年から本格的にエンジニアを担当してくれている佐橋兄とaprのメカニックの頑張りで決勝ペースは6位争いのマシン達と同ペースで走れる事が出来ました。

永井選手も全くマッチしていなかったタイヤを持たせてくれました。

今回のレースで今後のセッティングの方向性は見えてきたように思います。

今シーズンは必ずポイント獲得してAシードに戻れるよう永井選手と新人エンジニア佐橋兄とaprのみんなで力合わせて頑張ります。」 

 


金曽裕人監督

「レース後に色々と分析しました。aprはチーム力がありますので、今回の問題はすぐに解決すると思います。3年目となった永井選手もかなり速さが出てきました、佐々木選手は天性の速さを持っています。我々は必ず結果を残せるはずですので今シーズン、ご期待ください。」