No.30 TOYOTA PRIUS apr GT

  2017 AUTOBACS SUPER GT ROUND 4  

FUJI GT 300KM RACE

開催地:富士スピードウェイ(静岡県)/4.563km

8月5日(予選)天候:曇り コースコンディション:ドライ

観客数:21,600人

8月6日(決勝)天候:晴れ コースコンディション:ドライ

観客数:33,500人    

永井選手の成長著しく、予選は9番手を獲得するも、

またしても決勝ではトラブルが……

 

 富士スピードウェイを舞台に、スーパーGTシリーズの第5戦、「FUJI GT 300km RACE」が8月5〜6日に開催された。全8戦での開催が予定されるシリーズに、今年もaprは2台のトヨタ プリウスZVW51を走らせ、「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」を昨年に引き続き、永井宏明選手と佐々木孝太選手に託すこととなった。

 

 今年から改められたBoPの影響により、開幕からの3戦は苦戦を強いられていたが、前回のSUGOからエンジン本体へのダメージもあったことからリストリクター径が28.32mm×2から昨年と同じサイズの28.70mm×2への拡大が許されることとなった。その一方で40kgの追加が命じられたものの、公式練習でのドライバーの評価は上々。前戦は、予選、決勝ともにハイブリッドのシステムエラーに見舞われてしまい、本領を発揮することが許されず。完走という結果だけが残されることになった。

 

 だからこそ、ドライバーだけでなく、チームの結果に対する渇望感は最高潮に。もちろん、2週間のインターバルにはマシンの入念なチェックが行われ、対策も施されてきた。シリーズ折り返しの富士スピードウェイで、リベンジを誓ったのは言うまでもない。    

公式練習 8月5日(土)8:50〜10:25

 前回のSUGO、今回の富士、そして次回の鈴鹿は、この時期に、しかも短いスパンで開催されることから「真夏の3連戦」と呼ばれている。サーキット入りしてすぐ誰もが、その表現が正しいことは厳しい暑さから気づいたに違いない。

 

 土曜日早朝に行われた公式練習は、もちろんドライコンディションでのスタートとなった。最初に「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」に乗り込んだのは佐々木選手。いつものようにセッション開始と同時にアウト〜インを行なって、最初のチェックを実施して10分ほどピットでの作業が行われた後、いよいよ本格的な走行が開始される。いきなり連続周回に入った佐々木選手は、ラップを重ねるごとタイムを上げていって、やがてその時点で2番手となる1分39秒158をマークしてピットイン。その後も周回を重ねていって1分39秒を連発しているあたり、仕上がりは上々のようだ。

 

 ほぼ45分を経過したところで佐々木選手はピットに戻り、その5分後からは永井選手の走行に。そこからGT300の単独走行帯を間近に控えたタイミングまで、永井選手のピットストップは1回だけ、しかも5分ほどでまたコースに戻るあたり、一切トラブルにも見舞われていないのは明らかである。その間に記した永井選手のベストタイムは1分40秒579。単独走行帯ではラスト2分で赤旗が出され、その時点で終了となったものの、きっちり1分41秒台で走行を重ねていた。

 そのあと行われたサーキットサファリには、佐々木選手が再び「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」に乗り込み、最終チェックも無事完了することとなった。    

公式予選 Q1 8月5日(土)14:15〜14:50

 天気予報では、ちょうど予選が行われる頃に弱雨との情報があったものの、幸いにして上空には灰色の雲が浮かんでこそいたが、雨は降り始めることなくドライコンディションは保たれることとなった。今回もQ1担当は佐々木選手。雲が多かったため、気温は27度、路面温度は33度とやや低めではあったものの、想定の範囲内で問題はなし。アウトラップだけでなく、さらに2周をウォームに当てて、いよいよ「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」のアタックが開始。しかし、最初のアタックは1分40秒433とやや不発気味であったため、いったんクールダウンを行い、再度コースを佐々木選手は攻めていく。

 

 佐々木選手はミスなく、きっちりとアタックを完了。決勝重視のタイヤを選んでいたにもかかわらず、1分38秒566をマークして6番手につけることになった。そして、Q2で控える永井選手に無事バトンを託すことにも成功した。    

公式練習 Q2  8月5日(日)15:20〜15:32

 佐々木選手からのインフォーメションをしっかり聞いた後、やや緊張の面持ちでQ2に挑んでいった永井選手ではあったが、その走りは実に堂々としたものだった。入念にウォームアップを行なった後、最初のアタックから1分40秒254をマーク。このタイムでもレースウィークの自己ベストは更新されていたが、それに留まらず。なんと続いてのアタックでは、38秒760を記録したのである。これにはピットも騒然、歓声も上がることとなった。

 

 なんと、佐々木選手のコンマ2秒落ちのタイムで9番手に! ピットに戻ってきた永井選手は、笑顔でスタッフに迎え入れられることとなった。5列目グリッドから決勝をスタートする「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」は、決勝でもまだまだ飛躍が望めそうだ。    

永井宏明選手

「やっと何も起こらず、予選を終えることができました。自分的にも1周まとめて走ることができましたし、これは上出来かな(笑)、そう思います。決勝はどちらがスタートか分かりませんが、もっと前を! せっかくここまで順調に来たので、しっかり走ってポイントを獲る、そんなレースをしたいと思います。」


佐々木孝太選手

「今回は練習からハイブリッドの調子が良いので、やっとセットアップができたり、永井さんの走り込みができたりしたことで、ものすごくいいタイムを出してくれました! 本当にこのいい流れをずっと保っていければ、ポイントは獲れると思うし、もしかしたら凄いチャンスのあるレースなので、なんとか頑張りたい。タイヤは硬めを選んでいるので、もっと涼しくなると分かりませんが、熱くなる分には全然問題ないと思います。」    


金曽裕人監督

「永井選手の、ドライバーとしての進化が半端なくすごかった! セクター1で少しミスをしているのですが、それさえなければ7番グリッドあたりで行けた可能性がすごく高くて、今まで努力してきた成果が出てます。走りに関しては感動とともに、非常に満足しています。タイヤに関しても、シャシーに関しても非常に良いく、乗りやすくコントロールしやすいという評価も得ているので、決勝では確実にポイントを獲りたい。今期はまだノーポイントなので、プリウスにとって苦手なサーキットだが、明日はしっかり走りきってポイントを1点でも多く獲ろうというのが目的です。」    

決勝レース(66周) 8月6日(日)15:30〜

 ゴールデンウィークの第2戦ほどではないにせよ、夏休み真っ最中の富士には多くの観客が詰め寄せ、サーキット中が賑わいに満ちていた。引き続き上空には雲が浮かんでいるものの、どうやら決勝当日は雨の心配はなさそう。20分間のウォームアップは、もちろんドライコンディションでの走行開始となった。

 

 最初に「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」のコクピットに乗り込んだのは、スタートも担当する佐々木選手。開始と同時にピットを離れ、3周しっかり走行してコンディションチェックを行い、ほぼ折り返しのタイミングで永井選手と交代、併せてドライバーチェンジの練習も行われた。この間、佐々木選手は1分42秒252を、永井選手は42秒201とタイムを揃えてきたのは、決勝に向けた好材料であるのは言うまでもない。

 

 今回も静岡県警のパレードランが行われ、その後にフォーメイションラップが。タイヤにブレーキにしっかり熱を入れる佐々木選手は、まさにやる気十分。それを証明するかのように、グリーンシグナルの点灯と同時に鋭いダッシュを見せる。1コーナーを立ち上がると佐々木選手は7番手に浮上。目の前でアクシデントも発生していたが、これは巧みに回避していた。1周目を終えた時点で前を行くポルシェにも、ピタリと食らいついていく。    

 が、しかし……。2周目のペースが今ひとつ。前から離されるばかりか、後続からの激しいプッシュを受けるようにもなってしまう。原因はまもなく佐々木選手からの無線で明らかになる。前回も発生したハイブリッドのシステムエラーが再発していたのだ。それでも14周目までは7番手をキープしていたものの、1台に抜かれた後は、また1台、また1台と……。それでも我慢の走りを重ねた佐々木選手は、36周目にピ

ットイン。永井選手がコースに戻った時には、大きく順位は落ちていた。永井選手も抜かれる一方だったが、しっかり耐え抜いてチェッカーを受けることには成功する。しかし、残されたのはトップから2周遅れの20位という結果。

 

 予選まで絶好調だっただけに、永井選手と佐々木選手の落胆も大きい。それは無理もない。だが、すぐに気持ちを入れ替え、ふたりにとってホームコースである鈴鹿での逆襲も誓っていた。その思いにチームもしっかり応えるべく、今度こそ完璧な対策を施す所存である。

永井宏明選手

「残念でならないです。またもや不具合が出まして、悔しい思いも連続でしてしまいましたけど……。原因があると思うので、それを追求してもらって、次に向けて気持ちを切り替えてやるしかないかな、と。次のレースは地元である鈴鹿で行われますし、ウエイトも積んでいませんから、もうそろそろいいことが起きて欲しいですね。というか、トラブルなしで走りきりたいです、今度こそは。チャンスはあると思うので、それを活かせるように、その場所に行けるようにしたいと思います。」    


佐々木孝太選手

「1周目からトラブルがまた出てしまったので、ずっとハイブリッド無しで走っていたので……。それがなければ入賞は確実であり、もっと速いペースで走れたと思います。今回もまたトラブルで結果が残せなかったのは残念です。お願いだから普通にレースがしたいと思います。短期間ですがしっかり解明してもらって、次の鈴鹿につなげてもらいたいです。流れはいいし、クルマも速くなったし、永井さんも本当に成長しているので。チャンスがあるのに、なかなかつかめないのはドライバーも応援くださる皆様もストレスだし、一生懸命やってくれているのは分かるからこそ……。頑張ってもらいたいですし、次の鈴鹿では僕らも更に頑張ります。」    


金曽裕人監督

 「また同じ様なトラブルが生じてしまいました。それによって今回もすべてが台無しに。永井選手の成長とパフォーマンスがこんなに高いということを、みんなに知らしめることができたのに、それを活かせませんでした。本当に申し訳なく思います。今期まだまともに走り切った記憶がないほどトラブルが連発。幾度とない対策を施しても、改善できていなかった自分たちに腹が立ちますし30号車を応援くださる皆様に申し訳なく頭を下げて済む問題ではない。次の鈴鹿は長いレースであるから、もう絶対にトラブルは出してはいけないし、ドライバーふたりも自分にとって地元でもありますから……。鈴鹿に向けて短期間ですが、この流れに真っ向から挑み ご期待くださっている皆様に、必ず結果でお返しいたします。」