2020 AUTOBACS SUPER GT

ROUND 4 FUJIMAKI GROUP
MOTEGI GT 300km RACE

 

開催地:ツインリンクもてぎ(栃木県)/4.801km

9月12日(予選)天候:雨 コースコンディション:ウェット 観客数:無観客

9月13日(決勝)天候:曇り コースコンディション:ドライ 観客数:無観客

かなわなかったタイヤ無交換での表彰台獲得作戦。得たものは多く次戦に期待

シーズンを駆け足で走り抜けていく今年のスーパーGTは、第三のステージとなるツインリンクもてぎで、第4戦「FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE」を開催した。FRに改められた、TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV(ZVW52)で、aprは引き続き2台体制で挑み、「#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT」をコンビ2年目となる、嵯峨宏紀選手と中山友貴選手に託す。タイヤは、ハイパフォーマンスのブリヂストンで挑む。

前回の鈴鹿では予選でQ1を中山選手が、そしてQ2を嵯峨選手が担当し、ともにトップタイムをマーク。嵯峨選手にとって5年ぶり3回目となる、そしてFRに改められたプリウスにとって初めてのポールポジションを獲得する。

決勝でも序盤にトップを走行するも、せっかく築いたマージンをセーフティカー(SC)ランで失ったばかりか、直後のドライバー交代と併せて行なった、JAF-GTの宿命でもある給油に時間がかかり、順位を落とさざるを得ず。それでも7位でゴールし、1年半ぶりの入賞を果たした。

ストップ&ゴーが繰り返されるもてぎはウエイト感度が高く、ハンデが大きく影響を及ぼすのは間違いなく、幸か不幸か15kgだけで臨めるのは少なからぬ武器となるはずだ。すでに速さは証明しただけに、今回は強さをも証明することが期待された。

 

公式練習 9月12日(土)10:00〜11:35

今回のレースを直前にしてJAF-GTの参加条件に変更があり、「#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT」はBoPにより25kg増となった一方で、再び燃料給油リストリクターが適用されないことに。これがどう吉と転ぶか、凶と転ぶか気になるところではあった。

さて、このレースウィークは、どうにも天気が不安定な予感。搬入日の金曜日には雷を伴うゲリラ豪雨に見舞われ、土曜日も未明に降った雨が早朝は路面に残って、上空は雲で覆われていた。

それでも公式練習が始まる頃には、ほぼドライコンディションとなっていたのだが、開始早々にコースの一部で雨が降り出し、10分も経過すると全域で路面が黒く染まるようになっていた。

気温は27度で路面温度は30度、この時期としては低めの温度の中、今回も中山選手が操る「#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT」は、コースインからすぐピットに戻って最初のチェック、セットアップを行なった。午後からの予選も雨の可能性もあったため、まずはウェットセットを詰めていき、30分経過後の赤旗後には雨はやんだことから、今度はドライセットが詰められていく。その間に記された1分48秒716はセッション2番手とあって、順調な仕上がりをアピールした。

今年になって、公式練習は中山選手主体で行われており、特に今回の嵯峨選手はラストの専有走行を走っただけ。ただ、わずか6周の計測であったにも関わらず、4番手タイムの1分48秒886を出してきたのは、それだけ中山選手の詰めてきたセットが的確だったのと、嵯峨選手の器用さを何より物語っている。

 

公式予選Q1 9月12日(土)14:30〜14:40

2グループに分けられたQ1に「#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT」はAグループでの走行となり、今回は嵯峨選手の担当に。気温は25度、路面温度は29度と公式練習同様、低めだった上にミストのような雨に見舞われてしまう。しかし、Aグループはまだ路面を濡らすまでではなく、全車ドライタイヤでのアタックとなった。

計測2周目からアタックを開始した嵯峨選手は、1分48秒203をマークして、その時点でのトップ。次の周には1分47秒838にまで短縮を果たすが、最終的には3番手とQ1突破に難なく成功。中山選手にバトンをつなぐこととなった。

 

公式予選Q2  9月12日(土)15:31〜15:41

Q1のBグループから路面はしっとり濡れるようになり、しかしGT300のQ2が始まる頃は、川や水たまりができるまでの状況ではなく……。中山選手はドライタイヤでのアタックを敢行するも、予想以上に路面の水量は多かった。

コース上に留まるのも困難な状況において、中山選手は入念にタイヤの熱入れを行い、計測4周目にようやく1分50秒085をマーク。欲を言えば、もう1〜2周ウォームアップに充てたかったところだが、それでも3番手につけてJAF-GT勢、そしてブリヂストンユーザーとして最上位を得ることとなり、「#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT」は決勝レースにセカンドローから臨むこととなった。

 

嵯峨 宏紀選手

僕の予選は、ほぼほぼミスなく、いい感じでまとめることができましたが、路面が一回濡れてしまってから乾いていったこともあって、弱アンダーステアのバランスでした。その後の難しいコンディションの中、中山選手がいい感じのセカンドローを取ってくれたので、決勝に向けてはかなりポジティブな状況が作れていると思います。

去年の予選が後ろから3番だったので、今年はまったく真逆の順番であることに、この1年間の進化を感じます。まだ予選なので、何か結果が残っているわけではないので、今度こそ表彰台に行けるような状況を作っていきたいし、自信もあります。

ウエイトハンデが15kg、BoPで25kg追加の影響はなくはないですけど、セットアップが的確で、それを帳消しにできるぐらいの良さが出ているので、明日は期待できます!!!

 


中山 友貴選手

タイヤはドライタイヤで、かなり微妙なコンディションでしたから、もう本当にコース上に留まるのが精いっぱいでした。思ったよりもコース上の水量が多かったので、本当に慎重に限られた10分間で、いかにタイヤを温めてタイムを出すかということを考えて行きました。それでも危ないところが何回かありながら、前後の間隔とまわりの状況を無線で聞いて、最後にタイムを出そうと。

ある程度しっかりまとめて、タイムを出すことができたので、自分の持っている力とクルマの持っているパフォーマンスは、しっかり出し切れました。

決勝の天気は分かりませんが、いずれにせよブリヂストンタイヤのパフォーマンスは非常に高いので、雨でも晴れでもいい戦いができると思いますので、どちらにしてもうまく合わせ込んで、いいレースをしたいと思っています。

 


金曽 裕人監督

現在の進化したクルマに対して、さらにもてぎ専用セットを入れてきたら、ドライバーからは「100点満点」の評価をいただきました〜!。

微妙な路面状況でも、ブリヂストンのタイヤがそれに対してキャパシティの大きいものだったので、3番手というポジションを得ることができました。

本当はソフトタイヤでも良かったんですが、決勝のことを考えてミディアムタイヤを選んだので、中山選手にはかなり厳しい状況になってしまったのに、あそこまで冷静に事を進められるあたり、「さすがプロだな!」と実感しました。

2列目からのスタートですが、しっかり前を見ながら、前回のようにセーフティカーが出ず、きれいなレースになってくれれば、念願の表彰台も見えてくると思います。もちろん、ハイリスク、ハイリターンのタイヤ無交換作戦で狙います!

 

決勝レース(63周) 9月13日(日)13:00〜

日曜日のツインリンクもてぎは、空一面に厚い雲が浮かんで、いつ雨が降ってきてもおかしくない状況となっていた。

では、いつ降るのか、本当に降るのか、情報源ごと異なる予想だから始末が悪い。何はともあれ、決勝レースの前に行われたウォームアップでは、今回のスタート担当である嵯峨選手が最初に「#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT」をドライブし、1分50秒台をコンスタントにマークして、ベストタイムは1分50秒505。これはセッション8番手にあたるもの。ラスト2周を中山選手が担当し、1分51秒518を記録していた。

今回まで無観客試合で、次回からは5,000人+αを上限に観客の入場が可能になることが、正式に発表された。実際に「次からは」と確認できたことで、ドライバーにも前3戦と違ったテンションになっていたのではなかろうか。

「#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT」のスタートはまずまず。しかし、タイヤのウォームアップに優れる車両の先行を、オープニングラップのうちに許してしまうが、嵯峨選手は遅れることなく続いていく。むしろタイヤ無交換をあらかじめ予定していたこともあり、あえて無理せずポジションキープに徹していた。途中セーフティカーランを挟むも、予定どおり26周目にピットイン。

 

中山選手がコースに戻ると、まだ交代を済ませていない車両を除く、暫定2番手に。前を行くのも同じブリヂストンタイヤで無交換の車両、同じ条件でトップが争われることが予想された。ところが、数周もせず、「#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT」はペースを上げられないばかりか、まったくタイムが出なくなる。16番手まで後退したところで、せめて入賞は果たそうとタイヤ交換をチームは決断。41周目に再度マシンをピットに戻すことに。

24番手まで退くも、中山選手の猛プッシュでポジション15位でチェッカーを受けることとなった。

次回のレースは10月3〜4日に富士スピードウェイで開催される。すでに2回のレースを経験しているだけに、豊富なデータを基にした緻密な戦いで、まさしくリベンジを誓う。

 

嵯峨宏紀選手

レース前半の流れは悪くなかったし、まわりの様子を見ながら無交換を予定していたので、タイヤのパフォーマンスを守りながら、というレース展開だったのですが、SCが入ってから……。

SCラン明けにグリップが復活しなくなってしまい、じわじわ離されるという展開になって、それが交代後の中山選手の時にはもっとタイヤが厳しくなったので、結果的には2ピットになってしまいました。

予選のパフォーマンスに関しては良かったんですけど、結局ブリヂストンタイヤのグリップパフォーマンス頼りみたいなところが出てしまったようですね。

ロングランしたらズルズル落ちちゃうというのは、セットアップに関しても決勝には課題を残してしまいました。しょうがないですね、これがレースですから。予定どおり作戦はこなしたけれど、結果、失敗だったという感じがします。

すぐ富士でまたレースなので、改善すべき点を洗い出して、頑張りたいと思います。

 


織戸 学選手

全然グリップ感がなくて、それで途中タイヤを換えざるを得なくて……。今回、セットアップを大きく換えてきて、燃料積んでロングランしないまま行ったんですけど、タイヤが減っている状態でガソリンを積むと、ブレーキングサーキットなのにブレーキングで頑張れなくて、止まれなくて。

後ろから来たクルマを抑えようとしたらぶつかっちゃうので、抑えることもできず、全然頑張れなかったです。

今年はテスト機会もなく、ぶっつけ本番で行ってしまったので、無交換作戦が裏目に出てしまったところはあると思いますがチャレンジは失敗ではないと思います。

今回の結果を踏まえて、また進化させて次戦頑張ります。

 


金曽 裕人監督

今年、もてぎではタイヤテストもなくて、去年のデータもほとんどない状態で挑んだわけなんですけど、無交換作戦を実行するには、僕らがチョイスしたタイヤがちょっと柔らかかった。

そもそも無交換作戦ではなくスタンダードな作戦が結果は正解でした。それがいちばんの反省点。

クルマをもっと決勝セットに振っておいて、普通にタイヤを換えれば入賞は確実だったと思いますが、そこを選ばずハイリスク覚悟を選んだので、表彰台に上がって3位以上というのがハイリターンだったので、やったことに悔いはないですけど、それにしてもノーデータの状態で、トライをしすぎたという反省は強くありますね。

でも、これによってたくさん分かったことがあるので、次のもてぎ戦は楽しみですし、次戦の富士はどの作戦が正しいかも分かっているので、今度こそドライバーが表彰台に立つ姿をお見せしたいと思っています。

ご期待ください!!!