2020 AUTOBACS SUPER GT

ROUND 5 たかのこのホテル 
FUJI GT 300km RACE

 

開催地:富士スピードウェイ(静岡県)/4.563km

10月3日(予選)天候:曇り コースコンディション:ドライ 観客数:未発表

10月4日(決勝)天候:曇り コースコンディション:ドライ 観客数:未発表

予選のマシントラブルを克服し、決勝でしっかり完走。今後につながる成果得る!

全8戦で争われるスーパーGTが、早くも後半戦に突入。第5戦「FUJI GT 300km RACE」が、富士スピードウェイで開催された。今年もaprは従来どおり2台体制で挑み、「#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT」は永井宏明選手と織戸学選手がドライブ。タイヤはハイパフォーマンスのヨコハマで挑む。

FRに改められて、2年目を迎えたマシンは、このオフに徹底的に見直しをはかり、改良が加えられた結果、ここまでの4戦中2戦でQ2進出を果たして、速さでは著しい進化が確認されている。だが、どうにも決勝ではツキがない。

前回のもてぎでは、後半スティントを託された、織戸選手による追い上げが期待され、実際に順位を上げていく最中に接触があり、足回りにダメージを負ってしまう。まともにまっすぐ走らなくなったマシンを、それでもチェッカーまで導いたのは、まさに織戸選手の執念の賜物。手負いの状態ではあっても、しっかりフルディスタンス走り抜いたことで多くのデータが積み重ねられた。

コロナ禍の影響で今年は富士でのレースが4戦となり、今回はその3戦目。施すべき「手」は明らかになっているだけに、そろそろ決勝でも真価を発揮することが大いに期待された。

 

公式練習 10月3日(土)9:15〜10:55

スーパーGTは、この第5戦から人数限定ながら、今年初めて観客を受け入れることとなり、それまでの寂しい印象から一転。ようやく活気を取り戻した。

しかし、観客のパドックエリア入場は禁止され、ピットウォークなどドライバーとの交流は引き続き許されていないものの、ようやく「生」で見られることを大いに喜んでいる様子は、パドック側からも存分に感じられた。

走り出しとなる公開練習で、「#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT」を最初にドライブしたのは織戸選手。予選に向けた、速さを鍛えるセットアップを早々に行い、まずは1分38秒060を記録した後、決勝セットの詰めに切り替えられていく。その状況で1分38秒459を記すまでとなった、ほぼ1時間経過後に永井選手と交代。しっかり走り込んでくれることが期待された。

しかし、アウトラップを経て、これから計測開始という周に永井選手は1コーナーでスピン。ミッショントラブルによって、自力でのコース復帰が不可能になっていた。赤旗が出されてマシンは回収され、ピットでの修復が進められることとなった。

 

公式予選Q1 10月3日(土)14:00〜14:10

本来なら、Q1で「#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT」はAグループでの走行となり、織戸選手が担当する予定だったが、ミッションに抱えたトラブルは予想以上に大きく、交換を強いられることに。予選までに間に合わず不出走となったものの、決勝には最後尾から参加が認められた。

永井 宏明選手

公式練習、予選を走れなかったのは残念でしたが、色々なトライの結果ですから仕方がないです。

間違いなくパフォーマンスは右肩上がりなので、明日の決勝は最後尾からでも上位を狙える走りで、存在感をアピールいたします。ご期待ください。

 


織戸 学選手

今回は持ち込みから、投入したアイテムが合わなくて、いろいろ変えていったんですけど、ハンドリングの悪いところは修正できず。それで永井選手はスピンしてしまい、その時にミッションが壊れてしまって。

いつもどおり永井選手に、できるだけマイレージを稼いでもらうつもりだったんですが、それが結果的に全然乗れないまま、本番になってしまったのが申し訳ないです。逆に言うと最後尾からプレッシャーなく思う存分、攻めた走りに期待したいです。

 


金曽 裕人監督

いろいろ入れた機構が想定外に機能していなくて、それで乗りにくいクルマになっていたので、スピンは仕方なく、申し訳ない気持ちです。

その時にミッションの致命的な箇所が壊れてしまいました。それで予選には出られませんでしたが、今日の深夜には間違いなく直ります。

もう一発「策」を入れる予定ですし、クルマのパフォーマンス、富士でのパフォーマンスは分かっていますから、決勝は最後尾から追い上げるので待っていてください!

 

決勝レース(66周) 10月4日(日)13:30〜

決勝レース前のウォームアップで、ようやく周回を重ねることができた永井選手は、その間に1分39秒308をマーク。トラブルがすっかり解消されて、スムーズに走行できたことに対し、永井選手のみならずスタッフ一同、安堵した。

残り7分間は織戸選手がドライブし、最後に1分39秒508を記録することとなった。

気温は21度、路面温度は29度と、土曜日とほとんど変わらぬ安定したコンディションの中、決勝レースのスタートが切られるが、いきなりセーフティカー(SC)が導入される、波乱の幕開けに。GT500に接触があり、デブリとコース脇に停止した車両を回収するためだ。

レース再開は4周目。SCランの間にしっかりタイヤの内圧を整えていた、スターティングドライバーの永井選手はリスタートも完璧に決めて、前を行く車両をロックオン。さっそく1台を捕らえて、「#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT」はスタンド前に戻ってくる。その後もオーバーテイクを試みるのだが、相手はFIA-GT3とあってストレートで離される展開が続いたことから、予定を早めて24周目にはピットイン。

 

交代した織戸選手はオーバーテイクショーを続け、40周目には22番手に浮上。それから4周後に、さらに1台をかわしていく。緊急ピットインを余儀なくされた車両もあって、20番手に上がった後も激しいバトルを繰り返すが、やはりストレートパフォーマンスに勝るGT3を抜きあぐねていた。結果、そのままの順位でゴールすることとなるのだが、ノートラブルでしっかり完走を果たし、しかもチームランキングの3ポイントを、前回に続いて獲得できたことの価値は何より大きい。

続く第6戦は10月24〜25日に、今年2回目のレースとなる鈴鹿サーキットで開催される。レース内容も向上してきたこともあり、そろそろ「#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT」にも大暴れの予感も。活躍をご期待いただきたい。

 

永井 宏明選手

無事完走できて良かったです。クルマには最後まで問題ありませんでしたし、ヨコハマタイヤのパフォーマンスも高かったです。セットの方向性も落ち着き、これでようやくスタートラインに立てたような感じがします。

次の鈴鹿は我々のホームコース。今度こそ入賞を目指しますので、引き続き応援の程、よろしくお願いいたします。

 


織戸 学選手

終始、いい感じのバトルができたんですけど、ストレートスピードが足りず、もっと抜きたかったのですが、そこが残念でした。でも、やっとトラブルなく最後まで走りきれ、自分たちのペースがどのあたりかも確認できました。ヨコハマタイヤも最後まで安定した性能がでており、セットも良かったのでこの流れで、次の鈴鹿に挑みたいと思います。前戦の鈴鹿のリベンジを果たしたいです。


金曽 裕人監督

決勝で流れを取り戻しました。安定した速さで、オーバーテイクを繰り返し9台抜き。20番手でチェッカー。

予選が良ければ入賞は間違いないマシンと考察できます。

次戦鈴鹿は土曜日からの流れを大切にしたプログラムで進めていきたいと思います。

余計なチャレンジを盛り込まずに、ドライバーが戦いに集中できる様に、心して鈴鹿に挑みたいと思います!